2020年1月6日月曜日

超新星が見えるかな?

オリオン座の一等星ペテルギウスに何か異常が起きているのではないか、天文学者たちがそういう危惧を持っているそうだ。ペテルギウスの光度がまれにみるほど下がっているのだ。もっとも、この星は変光星なので暗くなるのは当然なのだが。ただ普通の減光とは規模が違うらしい。

ペテルギウスは太陽の1000倍の大きさと20倍の質量を誇る赤色超巨星である。赤色超巨星は星の進化の最終段階だと言われている。星の大きさなどによって最後の姿は異なるが、ペテルギウスの最後は超新星爆発を起こすのではないかと思われている。

天文学者によると、超新星爆発の前に光度が極端に下がるらしいので、現在の(正確には今見えている)ペテルギウスは近い将来超新星爆発を起こす可能性がかなり高いそうだ。とはいえさすがに天文学の世界。すぐにというのが何百年も先のことかもしれないのだけれど。

ペテルギウスが爆発して、その光が地球に届いたら、真夜中でも影が出来るくらいの明るさになるということだ。そうなるとオリオン座の姿も変わってくるかもしれない。待ち遠しいが私が生きている間に遭遇する可能性は低いようだ。残念!


2020年1月5日日曜日

50年前に起きた盗作事件の真相

故谷沢永一氏の著書に『完本紙つぶて』(1978 文藝春秋刊)という「書評コラム」の集大成がある。その中にある「日本の〝盗作史〟を」という文章は1970年4月5日の日付があり、ある大学で起きた、教授の盗作事件を取り上げている。盗作を発見したのは、この私なので、いきさつを記しておきたい。

当時私は大学2年生で、近代文学の学者を目指していた。それは学年末考査の前であった。授業で教授の著書『日本近代文学状況論』が試験の参考文献として指示されたのである。当然のごとく購入し、読み始めたのだが、何かが引っかかる。調べてみると、別人の論文を断りもなしに掲載しているのが分かった。

これは明らかに盗作だ。どうしよう。目をつぶることもできた。しかし、事はあまりに大きすぎた。自分だけしか真相を知らないのはおかしい。友人と相談し、試験が始まる前に受講者全員に真相を明らかにすることにした。試験は中止され、教授会が開かれたのは当然であろう。

その後の私の心境は、別の文章に記したので、ここでは取り上げないことにする。ただ私の一生を左右する出来事だったことだけは確かである。